「青少年への性被害と親告罪の壁」

ひと言

現在、日本の国内法においては(現行犯は例外として)性被害や性暴力の事案では、基本的に親告罪であるため、被害者側(被害を受けた当事者が未成年である場合はその保護者も含まれる)から加害者側に対して訴えを起こす必要があります。

そして、その際には詳しい状況説明と多くの場合は具体的な証拠(当時の犯行を裏付ける証拠もしくは訴えに足る具体的な根拠)が必要となります。

今、世間では旧ジャニーズ事務所で起きた性被害事件が話題になっていますが、被害を受けた(主に)青少年たちは相当大きな心の傷やトラウマを負っていることでしょう。

この事案では事務所側が「法を超えた賠償」を口にしていますが、果たして本当にそんなことが出来るのでしょうか?法を超えた賠償を実施するための根拠査定をどこに置くのでしょうか?

先ほど親告罪である限り、「具体的な根拠、証拠」が必要と述べましたが、その根拠・証拠の中には被害者側証言者の具体的な性暴力に関する内容を示す証言というものも含まれたと思います。

つまり、被害者の周りの誰かが知りうる被害内容や、そのときの状況、それを知ったときの証言者の感想なども「被害状況に係る根拠・証拠」として大きな比重で取り上げることが可能であったように思います。(あまり詳しい内容は法律家ではないので分かりませんが、確かそうであったと思います。)

ここで、今回の旧ジャニーズ事務所の性加害問題に目を向けると、被害者側は躊躇や葛藤を乗り越えて勇気を持って声を上げたと思いますが、事務所側や関連企業、報道関係は体裁的には特定の加害者を批判していますが、その事実を知りながら黙認したり、事務所側への忖度から問題として取り上げなかったりスルーした人たちって何なんでしょうねぇ?

今更、「そんなことがあったんですね。知りませんでした。厳正に対処します。」では無いと思います。 事務所との関係で甘い汁を味わった人、事務所所属タレントを起用することで儲けた多くの企業群・・・私は、その多くの人たちも今回の事案の共犯者だと思います。

自己利益や保身のために事実から目を背け、相手側に忖度を示し、見て見ぬふりを決め込み、事実を隠蔽する。・・・なんて卑怯な人たちなのでしょうか?

散々ジャニーズ事務所を持ち上げ、一緒に神輿を担いでいた人たちが、ここで一斉に批判側にまわる。なんて恥知らずで破廉恥な人たちなのでしょうか?いい加減正義面(づら)はやめていただきたいものです。

長年に渡り事務所側に忖度を行い続け、関係性を築いてきたマスコミ、制作会社、放送・出版関連企業、芸能関係企業、スポンサー企業などが一気にこれまでの行いを自浄出来るとは思えません。

それこそ半年ほど反省を取り繕い、その後は生まれ変わった(?)新事務所の健全性を持ち上げ、また利益に群がるという構図に戻るのではないでしょうか?

性加害や性暴力はれっきとした犯罪です。その対象が幼児、青少年、成人、そして男女を問わず犯罪です。

そして、その事実を見て見ぬふりする周りの人たちも共犯者です。

ハーヴェイ・ワインスタイン事件は未だに係争中です。でも彼は「#MeToo」運動でその権威は完全に崩れ去り、今後は莫大な賠償金を背負い世間の白い目に晒されながら余生を送ることになるでしょう。

旧ジャニーズ事務所で北公次さんの同期の人や後輩にあたる人たちは、当時の本人からのジャニー喜多川氏への告発はどのように受け止めていたのでしょうか?

皆さん堅く口を閉ざしています。

所属していた、または所属する個々のタレントには罪はない。・・・本当にそうなのでしょうか?

恐らく皆さん夢や希望をもって芸能界へ飛びこんで事務所に所属したのでしょうが、まさかその先にこんな卑劣な悪夢が待ち受けていたなんて・・・

もちろん、パワハラやセクハラは芸能界だけではありません。一般企業でも公務員でもあります。だから泣き寝入りせずにしっかり声を上げましょう。 被害を受けた当事者が黙ることで彼ら(加害者)は益々図に乗り悪事を繰り返していきます。 

勇気のいる行動ではありますが、被害を受けた当事者だけではなくこれ以上悲しい思いをする人たちやそのことで苦しむひとたちを出さないためにも、声をあげましょう。

見て見ぬふりは共犯です。

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